國高diary
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2019/10/24

東北研修報告

東北研修報告

 10/21(月)・10/22(火)の両日にかけて、東北研修を実施しました。中間試験明けの授業がない休日を利用し、38名の生徒が参加しました。

 生徒たちは、歴史・文学・防災などのいくつかのテーマから最も興味があるものを選び事前学習を行い、現地学習・事後学習を通じて東北に関する研究を完成させます。

 1日目の行程は以下の通りです。
朝7:20に東京駅に集合し、新幹線はやぶさで岩手県一ノ関に向かいました。その後バスにて中尊寺へ向かい、本堂で坐禅体験をした後、数人ごとのグループに分かれ、現地ガイドの方々の案内で金色堂と資料館を見学し、境内を散策しました。

 坐禅体験では、僧侶の方から坐禅の作法や姿勢、集中すべきポイントを説明していただき、約25分間の坐禅を行った後、全員で般若心経を声に出して唱えました。日頃の生活では忙しなく心を動かす中で、本来大切なものや自分自身の姿を見失うこともあるけれど、このように何も考えず無心になり心を落ち着ける機会を経験しました。

 その後の中尊寺での見学で、生徒たちは金色堂の神秘的な輝きや、螺鈿細工の精巧さ、平安時代から残る仏像に感嘆の息を漏らし、また、松尾芭蕉の足跡を感じ、芭蕉が眺めたであろう景色に見入りました。

 昼食後、中尊寺を出発した後は宮城県南三陸町へ向かいました。ここでは、実際の震災を経験した現地ガイドの方がバスに同乗し、2011年3月11日の東日本大震災の爪痕が色濃く残る被災地を見学しました。
最初に向かった高野会館では、残った建物の壁面15〜16メートルの高さの所に津波到達地点のプレートが掲げられ、生徒たちはその高さを建物の前で見上げ驚きを隠せない様子でした。次に向かった旧戸倉中学校では、震災当時のまま時間が止まっている時計や、窓が割れたままの体育館、今は更地になっている仮設住宅跡をバス内から見学しました。高台に建つこの中学校にも津波は押し寄せ、翌日卒業式を迎えるはずだった体育館は紅白幕で飾られていた、みんなが当たり前に過ごす放課後に津波は押し寄せた、そんな話をガイドさんはしてくださいました。途中バスの中でも、石でできた門戸が残っている所、跡形もなくなっている所にもともと何があったかということをお話しいただき、最後に防災庁舎跡が見える献花台で、1人ずつ献花をしました。
復興が進む傍らで、震災の記憶を学び伝えることの大切さを生徒たちは実感できたことでしょう。

 さんさん商店街の散策の後バスに乗り込み、宿泊地の松島に向かいました。夕食後に生徒たちは松島の温泉に浸かり1日の疲れを癒し、夜のミーティングでは1日目の行程の振り返りをグループごとに行い、2日目の行程の確認を行いました。

 2日目は、松島から塩竈へクルーズ船で移動し、塩竈で自主研修をした後、バスにて仙台へ向かい、青葉城跡を見学後、新幹線で帰京の途につきました。

 松島は日本三景の一つに数えられる有名な景勝地です。当日はあいにくの雨となりましたが、雨の松島もまた趣深く感じられました。クルーズ船は現地ガイドの方が同乗し、震災の話、松尾芭蕉の話、今と昔の水産業の話など、盛りだくさんのトークを1時間弱の中で繰り広げてくれました。松島の260の島々の名前にあるひとつひとつの由来や、芭蕉がいかに松島の月に感動したか、これらの島々のおかげで松島は津波の被害を大きく軽減できたことなど、生徒たちはたくさんのことを知ることができました。
 船で到着した塩竈は、地名の通り製塩で有名な土地であると同時に、芭蕉ゆかりの地でもあります。ここで生徒たちはグループごとに自主研修を行いました。芭蕉が訪れた御釜神社、東北を鎮護する陸奥国一之宮として1200年の歴史を誇る鹽竈神社、神社への参道沿いの塩竈スイーツなど、班ごとに決めた思い思いのルートを約2時間半で巡りました。肌寒い雨の中での自主研修となりましたが、友人同士で和気藹々と会話を楽しみながら歩き回るうちに、生徒たちの顔からは笑顔が溢れていました。

 バスに乗り込み塩竈をたった後は仙台で牛タン御膳の昼食に舌鼓を打ち、いよいよ最後の研修地青葉城跡へ向かいました。青葉城跡の駐車場にバスが入っていくと、なんとそこには松尾芭蕉の姿が。伊達政宗はじめ伊達武将隊の皆さんが國高生を出迎えてくださり、生徒たちは大盛り上がりでした。一緒に集合写真を撮った後、博物資料館を見学しました。青葉城成立と伊達政宗の歴史を辿る映画を鑑賞し、学習を深めたところで、生徒たちは武将の皆さんに再来を約束して、バスで仙台駅へと向かいました。

 仙台駅からやまびこ146号に乗り込み、帰京の途につきました。新幹線の中では、生徒たちは研修で学んだことに想いを馳せ、一生懸命にしおりを書く者、東北という一つのテーマのもとに集った友人たちとの最後の時間を楽しんで過ごす者と様々でしたが、この研修が充実したものであったことが伺えました。

 事前学習、現地学習を終えた生徒たちですが、現地でしか得られない学びを経験できたと思います。これらの経験を今後の事後学習につなげてほしいと思います。
この研修を通じて、生徒たちはこれからの人生を豊かにする種を得ることができたのではないでしょうか。ぜひその種を育て、実りある生活を送ってもらいたいと思います。